道 ケージ
Ⅰ
オマエ 橋なのか
近いのに遠ざけるって
橋なのか
遠ざかって近づけるって
安楽に高く
恥ずかしく低い
蛇の抜け殻のペンキは剥がれて
青いくせに青くない
なぜ薄汚れた
有り難がられず
恥ずかしげもなく跨る
「渡りなさい」
義務走る小学生が
一目散に上っていく
「遠回りじゃないよ」
Ⅱ
足 上げた朝
お腹空かして 出アフリカ
殺し合いは御免と海に出た
足だけで生きなさい
十万年
つま先を繰り出す
そこしかないと
倒れ込む
昔から
渡してきた
継ぎ足し継ぎ足し
オマエの足先は
その末端にすぎぬ
海跨って
かけるかける
のぼるのぼる
夜空
口曲がったオヤジの
オヤジが(炭鉱でしこたま儲けて)
建てたとさ