ここ
二十年ほど
高橋悠治のシンフォニア11を聴いてます
ジャケットの
表紙には
和田誠さんの描いたピアノを弾く
高橋悠治さんの
イラストが使われています
この
シンフォニア11を聴いてきました
義兄が死んだとき
葬式の後で
内陸縦貫鉄道に乗りました
ひとり
青森の深浦まで行きました
それで
深浦の海をみた
詩を書いた
その詩をみた志郎康さんが
いいですね
そう
いってくれた
言葉をドライブすることができれば
“芯”は独りでに出てきますよ
そういってくれた
中村さんが死んだ
渡辺さんが
死んだ
和田誠さんが死んだ
あのヒトも福島で死んだ
母が死んだ
義兄が死んだ
義母が死んだ
言葉は
無力だった
母の骨は
味がなかった
私は白骨化しました *
言葉の届かない場所がありました
きみにも
かれにも
あなたにも
あのヒトにも
じつは届かない
届いていませんでした
きみも
かれも
あなたも
わたしも
いつか
わからないことがわかるだろう
この音は
骨のようです
今朝も
シンフォニアを聴いてます
* 工藤冬里の詩「spring without winter」からの引用