胸騒ぎの春

 

正山千夏

 
 

春はざわざわする
見えないところで
なにかがうごめいている

地下を流れる川が
ざわざわいう
都会の音は入り交じり

そらから見たら
大気圏の下でうごめいている
いきものたち


の皮膚の下でざわざわいう
創造性が低い沸点でわく

夢でトイレの床をふく
汚れた血が
きれいになってった

目が覚めて
カーテン開けたらガラス越しに
胸騒ぎの春がはらはらと散るのがみえた

 

 

 

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