釈迦の手を 落ちて隠れる 蟻地獄

 

一条美由紀

 
 


隠している醜さは気付いてる、
私も同じように隠してるから。
美しい苦しみが一緒なら、
それで許せる。

 


水面の下に
雑音に紛れてる誰かの声を探している
謎解きは疲れ
モニターの中の目は焦点が定まらない
階段の先の鳥居をくぐろうとも
一歩は軽く、浮かんだままで地に着かない

 


天使は、
多すぎる間違いを恥じ、もうここには来ないだろう。

 

 

 

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