共喰いに 足元見えぬ 忘れ雪

 

一条美由紀

 
 


テレビ台の下に隠れようかな。
-いつも楽しい雑音が聞こえるように。
みんなを人形にしちゃおかな。
-私をいつも愛してくれるように。
ちょっと自分の首をもいでみようかな。
-余計なことを考えぬように。

 


タイムスリップした場所は、泣くことができる街
自分の魂を一つ差し出せばいい。
優しくキスをしてくれるよ。

 


蜘蛛の糸を持っているヒト

 

 

 

凍蝶に 春の陽ヒラリ 舞い射して

 

一条美由紀

 
 


いい子を装う笑みはデフォルト設定
無防備に見せることが可愛がられるコツ
目的の本当の意味はわからない

仮面を何枚も付けた他人と手を繋いで
同じ列車に乗りたいな
そうしたら傷つかない
そうしたら明日は見なくていい

霞のかかった土地に到着し
美味しい何かを食べたいの
誰かがおかしなことを言ったら
みんなで笑うの 
楽しいだけの毎日、そんな幸せが欲しいの

 


最近、余計なものが付いている
他人に1個あげたら、2個になって帰ってきた
今は、こいつらが私を余計だと言ってくる

 


遥か遠くに生まれ この地を愛した
誰かを愛し 誰かを傷つけ そしてすべて許された
漂い 一つになり あなたを待ってる

 

 

 

雪折れの 響きや透きて 過疎の村

 

一条美由紀

 
 


背中に翼はなく、風に乗る声もない
だが、土に還る約束はある

 


3歩あるき、そして転べ。
5歩走ったら、居眠りしろ。

 


夕日が身体に染み込むと、記憶は穏やかになる。
いつも座っていたソファにあなたの影が見える。
私は承諾を求め、あなたは無言で答える。

 

 

 

朽ち船に 揺れて見上げる 冬銀河

 

一条美由紀

 
 


大事なことを伝えようとすればするほど言葉は軽くなっていく
そしてウソは上手く言わないと叱られる

 


ここは私の隠れ場所
波の如く引いたり満ちたりする意識の中で
同じ言葉を持つ誰かを待っている。

 


破壊と創造はガラクタな僕たちができること

 

 

 

草の絮 タマシイ光りて 夜を跳ぶ

 

一条美由紀

 
 


揺れて 奥へ
ニゲテニゲテ

私はワタシを閉じ込める
扉は錆びつき、窓は小さかったけれど、、

 


私が卵だった頃

 


10月19日
ベルを押す指先は黒く腐っている。
でもなぜ?
彼は今幸せな開放感に満ちていた。

 

 

 

”ぷ”は”ぷ”に”ぷ”と

 

一条美由紀

 

私は”ぷ”。絵を描く”ぷ”
”ぷ”は詩を書く”ぷ”に会った。
詩を書く”ぷ”の周りはいろんな”ぷ”がいる。
写真を撮る”ぷ”、映像を作る”ぷ”、歌を歌う”ぷ”
話す”ぷ”、歩く”ぷ”、犬のふりをしている”ぷ”
”ぷ”は”ぷ”が好き。”ぷ”は”ぷ”が作るものが好き。
共鳴し、増幅し、発酵する”ぷ”。

見える”ぷ”に潜む隠れた”ぷ”を見つけ出す。
”ぷ”の周りは”ぷ”でいっぱいになる

”ぷ””ぷ””ぷ””ぷ””ぷ””ぷ””ぷ””ぷ””ぷ””ぷ””ぷ”

ありがとう”ぷ”、幸せなのさ”ぷ”

 

 

 

ひと噛みに涙も忘る唐辛子

 

一条美由紀

 
 


「嘘」という名の私。切り刻むのが好きだった。でもいつも本当のことを言ってきた。

 


後悔の土塊が増えていく。幸せの植木鉢もいくつか増えた。
いつも混ざり合う。いつも喧嘩する。
何を植えようか、何を育てようか。

 


ハイウェイの先に広がるサボテンの楽園、
そこでの待ち合わせには間に合いそうにない。
多分、永遠に。そして永遠に。
私は永遠に。

 

 

 

蟻100匹の行進に続く。

 

一条美由紀

 
 


赤ずきんちゃんとばかり遊んでいたら、狼は鬼となって戻ってきた。

 


君を使い捨てにしないよ。

 


真実は言わない。言ったらつまらない。これは本当のことだよと嘘をついて楽しむ。
そしてまた真実を聞くこともなく、”お話”を綴っていく。