しょうがい

 

小関千恵

 
 

お父さん お母さん

この世に 一歩出たら
なんて道なのだろう

お父さん お母さん

この世に 一歩出たら
これからは引き返す

こころをよじらないと
通れない道だらけ

小さな箱がたくさん流れてくる

時折雨に踊った
海は発熱しながら
泡を立てた
雨は ’わたし’ を教えた
何と同調できなかったのか
懐かしく揺れて
そのあと洗い流した

時計を解剖しろ
銭を土に植えて
春を待っていただろう

99%の差別
空は葡萄酒色に染まっていた

しょうがいは
いつも 外にある

水の中なら雨は降らない
瞼の裏なら瞬かない

窓辺で
心を乾かしている少年を見つけた
風が撫でていた

あした
黄昏が禁止される

 

 

 

 

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