鉄塔

 

道 ケージ

 
 

鉄塔を眺め
眺め眺めて

暮らしは過ぎ
また過ぎ行き

朝の光
宙で切れた梯子に
胸うたれ

夜ごと 
知らないものに
追いやられ

黒ずんだものを鉄塔に干す
突き刺して
曲がり角の自販機がまぶしい

鉛色の空に
鉄塔と電線が消える
見えない塔の
その余りの巨大さにうかれる
 
白々とした構築、寒々しい骨
隙間だらけのオマエに慰安を感じている

鉄塔の見える朝
見えなかった蜜柑
を見て曲がる
 
洗濯物が鉄塔越しに見え
勢いを付けながら
もう一つ曲がるのだよ

 

 

 

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