新しい土地

 

吉田一縷

 
 

町に出たらそこはお祭りで
千のお店が兆の物を売っていた
サンダルの音なんか聞こえないで
言葉が飛び交い 人が流れる

ボートを漕ぎ速さを競う
歓声が私の心をくすぐり始め
祭りの空気を纏い
軒先で夕飯を囲む家族はハローと微笑み
私は宴席の人
ニープン ラオビア ボーペンニャン

暑い夜はゆっくりと
言葉にならない幸福で包み込み
ほんのり涙が流れ出た
コンハックラオ ライライ

生ぬるい風が頬を拭って
「よくきたね」

 

 

 

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