紫陽花 à la mode

 

原田淳子

 
 

 

七つさがりの雨
滑りはじめは猫のように

砂混じりの看板”喫茶ロージナ”に
捨てられたサングラス
錆びた金の縁
貝殻におかえり

メトロノームを吊るしたひとはだれ?
雨が逆さに刻んでる

想いでのように、滲む

過去分詞のテーブルに
もう熱は配さない
皿の刺繍が褪せてしまう

花は支配した瞬間に死ぬ

蜘蛛の位置から花をみる

紫陽花のalert
白の意味するのは…

橋を光らせてはならない
赤が逆流する

東京 alert
東京 à la mode
pudding à la mode
まだ、食べたことはない

白の意味するのは…

 

 

 

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