工藤冬里
感染は内側が滑子になって
顳顬からぐしぐしと人が死ぬ
と百舌が語り掛ける
カキエダという名前だった
尖らせた口の定着したまま老いた
鳥が無くことにさえ気付かず
山火事を避けて歩くだけ
濡れたアスファルトに五円玉が浅く水没している
さざなみが立つ
巌谷小波
死は遺伝に似ている
ピグメントでは真理は表せず
学識ではなく理性が必要で
それは逃亡するヒムラーに追いつく
と鷺がゆったりと叫びながら湖面を征く
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