遠心

 

原田淳子

 
 

 

春からの夜の散歩は続いていて
砂の城を歩く
塩の滑り台
眠りかけた蔦に足を絡める
ここから先はゆけなくて.

果実の囁き、香りがつま先で回転する
動けぬのなら遠近もない
ただ深さだけだ
力は何処へゆくの.

重ねられてゆく葉の深さが
永遠を指している

鉛の闇は絶対零度
小学校の休み時間、
教室で削っていた鉛筆芯の温度
屑籠は夜のようにあたたかった

深みのなかで
望みを濾過して
熱を発する

遠心の火

百年の炎立つ

 

 

 

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