雨止んだ

 

正山千夏

 
 

小雨がやんで
夜のとばりがおりる

折れてしまった枝
転がって土にかえる

干からびてゆく
地表のような肌

小雨がやんで
夜のとばりがおりる

ひび割れの下に
真新しい赤い皮膚

翻弄される
木の葉のように飛ぶ

花を忘れるほどに
枝ばかりの夜空

だからなんなのか
舵を取れている者は幸せなのか

小雨がやんで
夜のとばりがおりる

こころを真空にして今は
歩いている

 

 

 

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