工藤冬里
人生がまだあると思っている頃の金の使い方には宵越しの云々の荒さがあるが
人生がもうないと思うようになると早く済ませなさい的の焦りからある面さらに荒くなる
貨幣は死者のアーカイブのために取り置かれているマイナス茶碗であり
貸した金も資産に含める銀行の絡繰はジュビリーによってしか解決できないニ人スキーの分裂病を生んだ
かれの跳躍は即ち下降であり上下増減何れも銀行の資産となる
貸せば貸すほど円トロピーは増大するから
我らの不景気は換金できるマイナス果実の生る木であり
スナック歓呼鳥が苦しめば苦しむほど頭取は喜ぶ
それで私は池の端にパブを作った
リヤガーデンにベンチ付きテーブルを組み
労働者階級のムスッとした娘を立たせて
ビターのサーバーを並べた
宣伝はせず
上下する田舎道のために
若手の代行要員も用意したのだ
#poetry #rock musician