Spring ephemeral

 

原田淳子

 
 

 

いつも見落としてしまう

矯正した視力で
複雑さの殻を纏っているから

裸眼から漏れだす
春の撹乱

花を咲かせ
実を揺らす
壊れない柔らかな土を探して
揺れつづけていた
単純な肌

不条理さを賢さに重ねて
土の記しを探していた

笑いたかったの、
陽射しのように
 

冬は春を待っていた

夏は秋を
秋は冬を..

春は
十年越しの旅だった

 

 

 

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