カンヌ出品のためのアプリケーション・フォーム

 

工藤冬里

 
 

title: Archive

target: コロナ下で自宅待機させられているすべての人類

synopsis: 監督自身の、何代かに亙る携帯電話~スマホに保存されていた今世紀初めからのデジタル画像。

usage: ガラ携からスマホへの移行に伴って画質も変化していく。画像がほぼ年代順に並んでいるだけなので、どこから見ても、飛ばしても良い。ゴダールの「ソシアリスム」のトレーラーをややゆっくりさせたようなものである。一時間半に及ぶ単調な画像の羅列の後、エンドロールに主題歌「アルシーヴ」が挿入される。
 
remarks: 映画よりも現実の方が劇的であることは近年特に顕著に感じられるようになってきた。ゆえに我々が、作られた映画を見る必要は年々減じてきているように思われる。そのような状況下で、自宅待機の人々の関心は「自分史」に向かい、それはデジタル画像のアルシーブ化を意味するだろう。家族の監視の状態で行われる画像の取捨選択の作業には、ジャック・デリダの言う<法>が介入する。この映画の鑑賞とは、その捨てられた写真たちによる「アルシーブの亡霊」を観るということなのだ。映像は個人史のアルシーブ作業とインターネット上の”陰謀論”ニュースだけになるだろう。これが映画史の終わりである。

 

 

 

#poetry #rock musician

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