なずな

 

小関千恵

 
 

間合いに居た
あの人に会い あの人にも会った

身体の中には木があって
実を獲っては 投げ込んでいた

少し目を閉じている間に
電話は入る

人生ってこんなもんかってくらいで死んでいく

地上の音は
天の岸を打っていますか

無心の波が
立って

間違う身
まちがうみまちがうみ

街が海

間合い
空には
コスモスが咲いて
漠たる不安は毛布となって
何に生きて
何に生きた?

根を切って
なずなを一本 最後に摘んで

つみつづけてつみつづけて

罪続けて

 

 

 

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