雀蜂の巣穴から聞こえてきた

 

工藤冬里

 
 

いつまで私は思い悩み、毎日悲しみに暮れなければならないのか
商店たち
白い商店たち
それは自分で解決できる問題ですか
どうしたら良いだろうか
風がどどぅと楸(ひさぎ)の白に
桐のように伸びる 赤目柏の暖色LEDの白空に
穏やかさを保つための錨を持つ
おだやかさをたもつためにいかりをもつて可笑しい
一切心配してはいけないという意味ではないわ
紀元前六世紀以前の人々は不完全ながらまだ風の感じ方はまともだった
一七世紀以前の音楽は無抵抗ながら光熱の感じ方がまだまともだった
ピタゴラス由来のプラトンとバッハが商店たちをマイナスの領域に追いやった
以来おだやかさをたもつためのいかりをもった転校生は一人もいない

 

 

 

#poetry #rock musician

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