さとう三千魚
昨日
女と
港の温泉に行った
二十年
女と
暮らした
二十年が過ぎた
女と
風呂を出る時間を決めた
温泉に浸かり
露天で
浜風を嗅いだ
サウナを出て水風呂に入った
三回繰り返すと
汗は出ない
クラフトビール屋で女を待っていた
ビールは
蜜柑とメロンの香りがした
風が吹いていた
風は吹いていた
きみはそこにいた
きみは
風は
吹いていた
群れることがなかった
徒党を組むことがなかった
* 高橋悠治のCD「サティ・ピアノ曲集 02 諧謔の時代」”犬のためのだらだらとした前奏曲” より
#poetry #no poetry,no life