當傍晚無聲地抹去星辰
夕暮れどき沈黙のうちに星々を消し去る

 

Sanmu CHEN / 陳式森

 
 

當傍晚無聲地抹去星辰,前世
塵土,起伏如波瀾
黑暗的文件如晦,裏面好黑
大地蟄伏,花朵猶豫

最難將息,寒冬骨架
從來世生出肋骨,種子沉痛
家譜灰燼;那就重讀灰燼,從此無名
此刻退色,你是唯一的音節。

就是不屈服的石頭
那些在流亡裡往返的孤魂
洗滌我們的盲文,奧德修斯!
來到盡頭我一無所見

 

 
 
當傍晚無聲地抹去星辰,前世
 夕暮れどき沈黙のうちに星々を消し去れば、前世の
塵土,起伏如波瀾
 土ぼこりは、大波のように高まり鎮まり
黑暗的文件如晦,裏面好黑
 暗黒の文書は読みようもなく、中身は真っ黒だ
大地蟄伏,花朵猶豫
 大地は寒気に沈みこんだまま、花はまだ開きかねている

最難將息,寒冬骨架
 いちばんの災いは終わろうとして、 寒い冬の骨組みに
從來世生出肋骨,種子沉痛
 来世からあばら骨が生え出しても、種子は悲痛のうちにある
家譜灰燼;那就重讀灰燼,從此無名
 系譜は燃えかすとなり、ならば燃えかすを読みなおそうとも、それからもう名前はない
此刻退色,你是唯一的音節。
 この時間は色あせて、きみがただ一つの音節だ。

就是不屈服的石頭
 これこそ不屈の岩石たる
那些在流亡裡往返的孤魂
 流亡のうちに行き来する寄るべなき彼らの魂は
洗滌我們的盲文,奧德修斯!
 我らの点字を洗い清めるのだが、オデュッセウスよ!
來到盡頭我一無所見
 しまいまでいっても私にはなにも見えないのだ

 
日本語訳:ぐるーぷ・とりつ

 

 

 

 

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