さとう三千魚
横たわっていた
道端に
そのまま
動かなかった
ロシア兵に殺された
街の人よ
日曜の
午後
雨は降っていた
海まで走った
車ごと強い雨に打たれた
荒井くん
電話にでなかった
留守電になってた
モコは
家に
ひとり
いた
ソファーにいた
雨の音を聴いていた
そのまま
動かなかった
横たわって
難聴の耳に鍼を打ってもらった
雨の音を聴いた
* 高橋悠治のCD「サティ・ピアノ曲集 02 諧謔の時代」”(犬のための)本当のだらだらとした前奏曲” より
#poetry #no poetry,no life