百年後の. 投稿日時: 2022年4月19日 投稿者: michio sato 原田淳子 四月 すみれ色の時刻 くぐもった声に似た宵 あの満月が身籠る 樹々に呑みこまれ わたしは身籠られる 領土の争いから逃れて横たわる 荒地 記憶の断片に震え 涙すら石となる クローゼットの奥に密やかに墓 そこが最期の家となろう 墓碑にあしらわれた羽根 林檎を配した わたしの心臓とおなじ色の. 小石を置いてゆく 離れれば離れるほど それが星座となるように ー 百年後の荒地にて