辻 和人
運ばれてきた
2台のワゴンのプラスチックごし
バクバクッ
真っ赤な手足を火のように投げ出して暴れる者
白い布に包まれたままヒクヒク微動している者
こかずとんだ
コミヤミヤだ
昨日妻ミヤミヤから帝王切開の日程が早まって明日になった、と電話があった
コロナ禍だから立ち会えない
但し双子の赤ちゃんには新生児保育室に運ぶ途中の廊下で会える
そわそわ待機していたぼく、かずとん
呼び出されて
ばったり、その瞬間
バクバクッ
嬉しい、とかない
かわいい、とかない
生命体だ
しわくちゃに
白い皮脂震わせて
息してる
見つめて心臓バクバクッ痛くなる
「写真撮っていいですか」「ちょっとならいいですよ」
透明プラスチックに光が乱反射
不格好な写真が撮れた
「ではエレベーター来ましたのでまた後ほど」
慌ただしく運ばれていき
バクバクッ
バクバクッ
痛いッ
ぼくも息してるじゃないか
ぼくとぼくから分離した小さな者たち
薄暗い廊下でばったり邂逅した計3体
揃いも揃って
息してた
おめでとうございます。
「息してた」っていうのが、とってもリアルで大きな喜びと安堵が伝わってきました。
コカズトン、コミヤミヤ、っていう表現も的確で鮮やかですね。
辻家のご多幸とお子様たちのお健やかな成長を心よりお祈りも仕上げます。
ありがとうございます。初対面の実感をそのまま書きました。その後についても書いていきますのでよろしくお願いいたします。
お祈りも仕上げます→「お祈り申し上げます。」です。
大変失礼いたしました。
これからも、とっても楽しみにしています♪