ヒヨコブタ
若い、たいへん若い人が旅立ち
そこにいたる苦悩ははかりしれずとも
せめて頑張って生きたねと声をかけたいばかりで
親である知人からの便りには
そっと夜空のまるで天の川のような手拭いと
近況を報せる手紙
いまきっとあの夜空のようなうつくしいところに
そのこは確かに、いるのだと
わたしも思いたいのだ
安らかな気持ちで、夜空をかけていることを
思っていたいのだ
一つ、また一つと歳を取る
それが当たり前に思えず、何度も人生から降りようとしたわたしにとっては
世界はいつも異質だった
わたしはこの世界に向いていないのだと
そうではなかったのだ
大変に小さな世界にいただけで
あらゆる人の価値が認められると知ることで
存在していいのか、というスタートラインが見えた
そこから歩き出すのにどんな妨害があろうと
一度決めたわたしは歩む
この人生はいつか終わるのだから
いろんなひとが降りてしまう
でもそこに毒を吐きかけるのはとつてもなく嫌だ
どんな思いでそこまで這ってきたのだろう
想像もつかないこともあっただろう
またいつか、それまでおやすみなさい
わたしの人生が終わるときも
またいつか、それまでの挨拶でいい