島影 48

 

白石ちえこ

 
 


栃木県足利

 

暑い夏だった。
渡良瀬川にかかる橋から町を眺めていたら、ひょろっとそびえる給水塔が目に入った。
給水塔は古い団地の中心にあった。
足もとから見上げる給水塔は、巨大な花のめしべのようであった。
自分が小さな虫になったように感じた。

 

 

 

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