道 ケージ
雫石をどうすべきかは
皆知っているようだ
何もわからない私は
途方に暮れる
なんのためにあるのか
どこにあるのかさえ
わからない
調べてくれる田村は
二階の片づけに忙しい
橙の水玉模様
板状らしい
どこで知ったのかわからない
それをどうするのか
なんのためにあるのか
わからない
ともかくも
何かに必要らしい
雫石は何になる
あやめたい朝に
曇が映る
好都合のように
露がたまると
もう不吉ではいられない
走らされ
シャツを引き裂くと
それが合図のようだ
ハバロフスクあたりの
郊外の水で
犬の死体を見た