冬河夜船

 

原田淳子

 
 

 

冬のうえのオーロラ
冬のしたに眠る春

吹く風は、銀色
冬は水の高さで横たわる
春が眠るあいだ
船は渡る

堕ちてきた氷はやがて
木々の芽に宿る露となる

降りしきる極小の光を潜り抜けて
髪は種子の白、
骨は灰と燃え、
船は最果ての地へむかう

眩しいほどに
冬は白に至る

 

 

 

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