曙光照樣着遺忘的舊事
あけぼのの光が忘れ去った昔のことを照らしだす

 

Sanmu CHEN / 陳式森

 
 

曙光照樣着遺忘的舊事
如痴如醉如蕩漾
曾幾,我和暴雪一起打磨東京。
舊侶酒杯,我們10年前剛剛見過,
一起看過的劍已殘,茶已涼
或者,明日傍晚珍珠沉沒,
雪並沒有下過,2月11日
你只是在神保町回望;
聖尼古拉堂的鐘聲消亡
(從來不曾聽過)
之前我在此讀本雅明、佩索阿……陰沉的午後
李白時明時暗,殘雪炙烈
又冰涼又發燒
靖國的鴿子紅著眼
我只是在此笑等警察來捉
等幾分鐘就透徹的審訊
純種的白色紅了眼
還沒有櫻花,沒有開,沒有聲息
…….. 戰沒者低音。
如此的低,嗚咽默禱
從未存在者的低音
沒有虛構這一場雪
盛放的雲朵沒有授粉
曙光照耀着遺忘的舊事。

 
2023年2月10日~12日 東京航程

 
    .
 

如痴如醉如蕩漾
 気の触れたように、酔ったように、ふらつくように
曾幾,我和暴雪一起打磨東京。
 以前、私はバオシュエと一緒に東京をうろついていた。
舊侶酒杯,我們10年前剛剛見過,
 昔仲間のように杯をかわしたが、私たちは十年前には出会ったばかりだったのに、
一起看過的劍已殘,茶已涼
 一緒に見た刀剣ももう古びて、茶ももう冷めた
或者,明日傍晚珍珠沉沒,
 そして、明日の夕暮れの真珠が沈んで
雪並沒有下過,2月11日
 雪はまだ降っていない、2月11日
你只是在神保町回望;
 君は神保町でしきりに思い出にふけるのだった;
聖尼古拉堂的鐘聲消亡
 ニコライ堂の鐘の音の消え去る
(從來不曾聽過)
 (それまでも聞いたことなどなかったが)
之前我在此讀本雅明、佩索阿……陰沉的午後
 その前に私はここでベンヤミンやペソアを読んだ……陰鬱な昼下がり
李白時明時暗,殘雪炙烈
 李白は明るかったり、暗かったりしたし、残雪は苛烈に
又冰涼又發燒
 氷のように冷たかったり、また熱を発したりもした
靖國的鴿子紅著眼
 靖国の鳩は眼を紅くして、
我只是在此笑等警察來捉
 私はここで警察が捕まえに来るのをただ笑って待っていた
等幾分鐘就透徹的審訊
 数分ののちにはきっちりと尋問をうけ
純種的白色紅了眼
 純血の白は目を紅くした
還沒有櫻花,沒有開,沒有聲息
 まだ桜の花もなく、咲いてはおらず、その気配もない
…….. 戰沒者低音。
 …… 戦没者は声を潜める。
如此的低,嗚咽默禱
 こんなに低く、嗚咽する黙祷
從未存在者的低音
 いまだ存在しなかったものの潜められた声は
沒有虛構這一場雪
 この雪を作り物にはしない
盛放的雲朵沒有授粉
 盛大に拡がった雲はまだ受粉してはいない
曙光照耀着遺忘的舊事。
 あけぼのの光が忘れ去った昔のことを照らしだす。

 
2023年2月10日~12日 東京航程
 2023年2月10日~12日 東京行き

 
 

日本語訳:ぐるーぷ・とりつ

 
 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です