たいい りょう
私は 休日の夜
妻と二人 中華料理を食べようと
店を探していた
一件目の店は 満員で
あまり感じがよくなかったので
入ってすぐ 店を出た
私は 間違えて
同僚の携帯に電話をしたが
彼は 電話には出なかった
彼の番号表示は なぜか ハングルだった
後ほど 彼から コールバックがあったが
私は 無視した
見覚えのある歓楽街
そこは かつての知人が
風俗嬢をしていた店のある街だった
私は 友人に連れられ
久しぶりに彼女に会って話をしようと
その店を探したが
見つけられなかった
諦めた私は 脇道に入り
少し坂道を登ると
そこは 鳥居が沢山並ぶ神社のようだった
私は 鳥居を潜り抜けながら
参道をゆっくりと登っていった
すると ある白い石の姿の仏様が 私の手をつかんだ
「お前さん ちょっと お待ちなさい」
とその仏様は私に言った
私は 友人に「仏様に 呼び止められたよ」と
告げた
参道と境内には 無数の仏像が立ち並んでいた
私は「南無阿弥陀仏」と唱えようか「南無妙法蓮華経」と唱えようか迷ったが、
「南無妙法蓮華経」と唱えながら
さらに 山奥深いところへと向かった
周囲からは 「南無阿弥陀仏」の読経が鳴り響いていた
そこから 先は 何も覚えていない