四月

 

Sanmu CHEN / 陳式森

 
 

四月用翅膀的灰霧塗抹群山、海岸、我們的眼睛。

四月,古老的蜂群在荔枝樹間
鼓噪,釀造出引擎,
我們重新誦讀遺言。

四月的鞋底拍打着小人
⋯⋯疼痛
永生的碎片。

四月,被迫供的花蕾凋零
季節的臨終,而流血不凝
脈動著……

四月,呼喚我們重返戰陣!
可我們已經不再是戰士,
失去了勇氣。

四月,河流在海中漂流,
沿着星星的軌道,
四月暗青的頭顱。

四月,暴雨洗刷了滴血的聲音
我的骨頭竟如此平靜,而春筍勃起
我將是四月的污點證人。

 
二零二三年四月初 西貢

 
    .
 

四月用翅膀的灰霧塗抹群山、海岸、我們的眼睛。
 四月は翼をひろげた灰色の霧でもって、山々や海岸や我々の眼を塗りこめる。
四月,古老的蜂群在荔枝樹間
 四月、年経た蜂の群れはライチの木々の合い間に
鼓噪,釀造出引擎,
 騒がしげに、エンジンを醸しだして、
我們重新誦讀遺言。
 我々はあらためて遺言を朗誦する。
四月的鞋底拍打着小人
 四月の履き物の裏で憎い奴を叩き打ち*
⋯⋯疼痛
 ……その痛みは
永生的碎片。
 とわの命のかけら。
四月,被迫供的花蕾凋零
 四月、自白を強いられたつぼみはしおれ落ちて
季節的臨終,而流血不凝
 季節が終わりを迎えても、流れる血は固まらず
脈動著……
 脈を打ち続けている……
四月,呼喚我們重返戰陣!
 四月は、我々に呼びかける、いま一度戦さの場に戻るのだ!と
可我們已經不再是戰士,
 でも我々はもう戦士となることはないのだし、
失去了勇氣。
 勇気も消え失せた。
四月,河流在海中漂流,
 四月、川の流れは海を漂い流れ、
沿着星星的軌道,
 星の軌道に沿っていく、
四月暗青的頭顱。
 四月の青黒い頭。
四月,暴雨洗刷了滴血的聲音
 四月、激しい雨が滴る血を洗い流した音
我的骨頭竟如此平靜,而春筍勃起
 私の骨はあげくこうも穏やかなのに、春の筍は猛り立ち
我將是四月的污點證人。
 私は四月の法廷の後ろ暗い証人となるのだ。

 
二零二三年四月初 西貢
 二〇二三年四月初旬 サイクンにて

 

* 憎い奴を叩き打ち 「打小人」は、三月初めの驚(啓)蟄の後、四月にかけて、香港では銅鑼湾近辺の橋の下などで行われる呪術的な習俗。「拝神婆」と呼ばれる女たちが、顧客の憎い相手の名前を人型に書き込んだ紙を履き物で叩いて、災いを福に変えるという。

 
 

日本語訳:ぐるーぷ・とりつ

 
 

 

 

 

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