シフト

 

廿楽順治

 
 

ぼくは
おじいさんの沼にはまっていく

羽なしで
ものをはこぶよろこび

(世界はすこしも動かないのに)

箱がいつか
眠る位置を変えていて
ぼくのシフトがひかっている

はこぶ姿で
ぴったりと
暮らすじぶんの骨格をくずさない

(内戦や)
ものの生死を

むずかしい教えのとおりに
見過ごしていく

虫の
ひとつ目

羽なしで
おじいさんの沼に

 

 

 

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