仕舞

 

工藤冬里

 
 

四角いものの上にひかりのV字の切れ込みが走り
重唱のソナーを主部に這わせて学生刈の背中に聴かせた
初版を手にして衣服を引き裂く感受性の徒花めいて
ノーネクタイの風がロビーを走る
声優たちの巻き起こす棒秤の長短
保険金を喰いつぶしていく夏至の日の果てに
登山口まで21Kという標識があり
一人で尾根を転がり落ちながら
いないほうがましだったかい?
スクエアの切れ込みの意味を考えながら
声をひかりとして
線香花火のしだれ柳のフェーズを
空調の不調で凍ったノズルを吹きながら大声で死に
いないほうがましだったかい?
浮いた浮いた
爆縮して仕舞を舞う
羊羹列車がarbolito灘を進む
yahoo mailはスパムばかりなのでもうあまり使ってない
監督や作家が主人公の隙間リアルはもう仕舞いだ
あとは忘れろ
販売中止予告のしぐさで

 

 

 

#poetry #rock musician

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