野上麻衣
そのひとは
たっぷり
水辺を泳ぎきり
海のさきっちょをながめて
舟にのった
とってきたばかりの
檸檬をしぼる
その手で
波にふれ
海鳥の声に
しんと沈んで
オールを漕いだ
ずっと ずっと
ながめていれば
ひとびとは
とおくに ちかくに
波になびいて
安心して。
風がはこんでくれるから。
あの場所は
いつものつづき
うたっているのは
岬のひと
そのひとは
たっぷり
水辺を泳ぎきり
海のさきっちょをながめて
舟にのった
とってきたばかりの
檸檬をしぼる
その手で
波にふれ
海鳥の声に
しんと沈んで
オールを漕いだ
ずっと ずっと
ながめていれば
ひとびとは
とおくに ちかくに
波になびいて
安心して。
風がはこんでくれるから。
あの場所は
いつものつづき
うたっているのは
岬のひと