エアー・ピアノ

 

小関千恵

 
 

爪の先が地に届く
夏の終わりにもう焚き木をさがして
燃え尽きそうな中心

植物らのりんかくが光輝いて 風に揺れてる
そら ミライは あの雲を掴みに行くだけだ

すまいの
垂れたカーテンの くたびれの向こうから 歩いてくる 命を  ♢  影を
見ないようにして しないで
エアー・ピアノで 畳を踏む 聴こえる
移動してる
忘れてしまう しまわない

鷺よ 山へ帰って 戻って 弾いて
慰安婦の 子供たちの そらを飛んで
だけど それとして ゆかないで

ゆかないで ゆくために 弾いて

飛ぶことを 弾いて

 

 

 

 

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