たいい りょう

 
 

こころのなかは
いつも 雨

雨は 乾いた こころを
潤してくれる

赤いトカゲが
濡れた土から
ひょっこり 顔を出した

人の足が 通ると
顔を引っ込めた

小さな自然は
わたしに 密やかに
話しかけてくれる

わたしは ざらついた手で
季節はずれの紅葉を
そっと撫でる

すると 萎れかけた紅葉が
ひらひらと
ぬかるんだ 水たまりに
浮かんだ

水鏡のように
美人を映し出す
夏のなかの秋景色

そんな 夏の優しさに
わたしは あらためて
恋をした

 

 

 

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