死と乙女

 

加藤 閑

 
 

冬薔薇散らしみづうみにレダ眠る

蝋梅を数へて黄泉の燈しとす

転調を許さぬ吹雪死と乙女

冬蝶の翅の欠片を声に持つ

屈強のをとこの口に冬星座

義憤ならず霜咲く硝子見つめつつ

雪汚れし神は目隠しされしまま

月蝕の夜に眩しき海鼠切る

こがらしにそれはあたしと紙の鳥

骨あらば舟に組むべし霜の夜

 

 

 

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