さとう三千魚
越せないかと
思った
モコは年を越せないかと思ってた
いつか
雪が降るのを見ていた
日野の駅で
見ていた
ゆらゆら
ゆらゆら
雪は
降りてきた
モコ
ふらふら歩いていった
義母の仏壇の前に
歩いていった
“まんじゅっこ”と義母は呼んでいた
モコ
さがしてた
声をさがしていた
声をさがしていた
モコ
見ていた
モコ
見えないものを見ていた
語るな
語るな
この世に雪は降っていた
この世に雪が降っていた
ゆらゆら
ゆらゆら
降っていた
いつまでも見ていた
歩いていった
#poetry #no poetry,no life