新しい仁義

 

長谷川哲士

 
 

門の向こうの不揃いな芝生の庭
ゴールデンレトリバーちゃん駆け回る
名前は何というの?まだぐるぐるするの?
まだまだぐるぐるするの?気が違ってしまったの?
芝の香りが良いからだろうか狂ってしまった様である
ぐるんぐるんわおんわおんと走り回る

次には門の向こうから金髪で長髪の
小父さんがやって来てぬうっとこちらに首だけ出して
ご挨拶、あなた外人さんなの?ジョンさん?
レノンさんなの?わたしヨーコ
ああヨーコさんこんにちは、こんなビートが曖昧な夜には
大きなキャンディ齧りたいね、そうじゃない?

大鳥居を叩いて音叉の替わり
ギターのチューニングOK
新曲歌います

「祈祷師な貴公子」
世界は嘘で出来ている
嘯く奴等の喉仏焼いて
仏の舎利で宮殿を拵える
仏を大切にするタイ国にて行われる
ムエタイの戦闘者は戦いの前に
師に礼を示すワイクルーを舞う
高揚した横丁通りでは
効果的な麻薬などが販売されているのだろうか
行った事もない亜細亜の邦の事は知らない
今私が住んでいるこの日出づる邦と呼ばれる
ここの事さえ何も知らない
さあムエタイ戦士のローキックがケツを打つピシッ
肘打ち連打され気絶している凄い賭け金飛び交う
骨まで軋る身を切る改革政治家の馬鹿野郎
又更なる嘘は拡声器を通して街中に
飛散するそして貧者の笑み少しと多数の死体
祈ったら祈った分だけ死んで行くが抗え

イエーイ!ご清聴ありがとう

どうですか?こんな曲恥ずかしいし
尚も世界はアホらしい
しかし隣の老夫婦は仲が良いし
ロックで世界の脇腹をくすぐってもみたいし
ジョン&ヨーコに挨拶もしておきたい
あらゆる生命がぐるんぐるん回って
わおーんと反響しています

 

 

 

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