ほぼ毎日、詩と批評、エッセイ、写真、絵画などの作品を11年間、公開してきました。 浜風文庫は、2024年6月8日に、11年を完了いたしました。 作品の定期掲載はしばらくお休みさせていただきたいと思います。 浜風は、 旅に出てこの世界の実相に出会いたいと思います。 浜風文庫の公開は、随時、浜風の吹く時に行いたいと思います。よろしく、お願いいたします。
原田淳子

もうみない夢を待つ
かなしみを繙く
言葉は初雪にとけた
音のない泡が生まれて消えて
あれを時というの
正しい襟裳のような花弁
白く、淡く、直立す
天を指す花は
実をつけない
邪悪さとひきかえに
孤独が遺される
咳の震え
骨の疼き
痛みは胴体をめぐる旅人
身体のなかの島々
横たわる身体は黄昏れ、
洞窟は永遠の空を映す
目を閉じて、春