佐々木 眞
能登半島地震では、家が潰れ、230人もの死者が出て、遭難者は寒さに凍え、
水や食物もなくて泣いているというのに、おらっちときたら、朝から晩まで、
コーヒーメーカーがコーヒーを抽出しない、と大騒ぎしていた。
ガザでは、悪辣非道なイスラエル軍が、おんなこどもを含むパレスチナ人を、
見境なしに殺しまくっているというのに、
おらっちは、昼ご飯をラーメンにするか、讃岐うどんにするかで、ごっつう悩んでいた。
ウクライナでは、怪僧プーチンが、おんなこどもを含むキーウ市民を、
ミサイルや無人機で、見境なしに殺しまくっているというのに、
おらっちは、川柳がうまくできないので、終日いらだっていた。
でも、
あっちは戦争、こっちは平和
あっちは地獄、こっちは天国
と、簡単には決められなくて、
戦火のさなかにいるひとが、かえって生き甲斐をかんじていたり
いっけん平和のなかにいるひとが、半分死んでいることだって、ありえるのよ。
でも、でも、
おらっちが悪いのか、そっちが悪いか、知らんけど
にんげんが悪いのか、神さんが悪いのか、知らんけど
いくさ、やめないか?
いくさ、もう、もう、やめないか?
いくさ、はよ、はよ、やめてけれ。
ああ、世界中の人々が願っているように、
すべての武器が楽器になればいい。
そうすればおらっち、もっと大きな声で、生きてる喜びなんかを、歌えるのに。