覚醒

 

たいい りょう

 
 

削っても 削っても
皮の下から 流れ出るのは
赤い血でしかない

蛆虫どもの蔓延る
この闇夜で
わたしは 目を閉じて
魔性の声に 耳を澄ましていた

赤い血は とめどなく 流れ続けた
まるで マグマが吹き出すように

わたしの意識は 朦朧とし 混濁し始めた

浮かんでは沈む 言葉の海のなかに
溺れていた

そして 痛みとともに すべての記憶が
覚醒した

 

 

 

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