路子/みち/こ

 

長谷川哲士

 
 

寂雨が路を潤す
身がもたないと
命の葉っぱが
揺れながら
落ちようとする

葉っぱには名前が有る
路には名前が無い

有るから無いへの
引っ越しは辛い

せめて下からの
風など吹いてもらって
浮遊してみたい
などなど願望するが

吹上の風は
婦人のスカート
めくりあげて
ふふふと笑って去る

路だけうねり続いて
時折穴ぼこがある
どうしても雨止まぬ
何となく寂しくて
鼻水上下してる

 

 

 

路子/みち/こ」への1件のフィードバック

  1. 何とも切ない男呟き
    されど
    熱い気持ちの温もり
    やはり
    生きて生きて生きたい
    人間の
    あっけらかんとした
    したたかさと優しさ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です