野上麻衣
くらす人が家をるすにする日がつづく。
くらして2年、
ふたりの時間をすごしてきたあとの、
ひとりの時間。
いない夜がつづくと
声にならないぶんが
文字になった。
ふたりのひとりがいないぶん、
部屋はよごれない。
飲みかけのお茶、
洗わずにおいたままのお皿、
ひきかけの椅子。
景色がひとつも動かなくて
ここではひとりんぼう。
しん、と
きこえた
ひとりぶんの、声。
くらす人が家をるすにする日がつづく。
くらして2年、
ふたりの時間をすごしてきたあとの、
ひとりの時間。
いない夜がつづくと
声にならないぶんが
文字になった。
ふたりのひとりがいないぶん、
部屋はよごれない。
飲みかけのお茶、
洗わずにおいたままのお皿、
ひきかけの椅子。
景色がひとつも動かなくて
ここではひとりんぼう。
しん、と
きこえた
ひとりぶんの、声。