イスタンブール

 

工藤冬里

 
 

最後の蛍、
非望の極みのようにしてきみは飛ぶ
あなたは優しすぎる
まだ間に合う
まだ間に合うと言い続ける
投獄の朝は突然来る
悪いことを行なわせないための投獄
良いことのために投獄されたのではない
晴れがましさを覆う詠唱のクルアーン

 

 

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