<ササキマコト>の主題に拠る48の変奏曲~第3篇 第21変奏曲から第30変奏曲

 

佐々木 眞

 
 

第21変奏曲

バカダ大学の阿呆莫迦教師、ヒラオカトクの授業中に、とても大事なことを思い出したので、急遽下宿に戻って録画をセットしてから、またバカダ大学に戻ったら、誰も居なかったずら。

 

第22変奏曲

町内会から推薦されたウザッタイ元悪童が、あれよあれよという間に保守党と右翼の大物にのし上がって、夜郎自大な専制政治を独裁している。

 

第23変奏曲

水爆実験で繰り返し爆破されながら残骸を悉く集積しましてね、こいつを再利用して何とからなんかいなと思っていたら、さる奇特な方が現れて、これで素敵な別荘を造ってくれませんかと仰るんですよ。

 

第24変奏曲

純白のドレスを纏ったブロンズ新社のワカツキさんが、南青山の洒落たお菓子屋さんの庭で、一心不乱に読みふけっていた。昔ながらのオカッパ頭で。

 

第25変奏曲

小学5年か6年の時「顔洗いひょいと目を上げ四尾山」という川柳みたいな俳句を詠んだ時、弟と妹が「近くの寺山なら見えるかもしれんえど四尾山なんか絶対見えへん」といううたので、母が「別に見えんでもええの。寺山だと字足らずになる」と断じたのでさすがは愛子さんと見直したずら。

 

第26変奏曲

烈女の誘いに乗るとか、いっちゃん洒落たレストランの料理を口にするとか、おいしそうな夢の中に入っていくと、碌な結果にならないことがよーく分かったずら。

 

第27変奏曲

エレベーターとは何をする機械か分からなくなった老人たちは、思い思いに大小便をしたり、告解したりしている。

 

第28変奏曲

お父さん、台風の英語は?
タイフーンだよ。
お父さん、台風の英語は?
だから、タイフーンだよ。
お父さん、台風の英語は?
だからあ、タイフーンだよ。

 

第29変奏曲

ノブイッちゃんは思う。
惑星が地球に衝突する前に、死ねた。
ヒトハルちゃんは思う。
関東大震災がまたやって来る前に、死ねた。
ボクちゃんは思う。
第3次世界大戦が始まる前に死ねた。

 

第30変奏曲

どういう風の吹き回しか、みんなで芝居をやることになった。まずは場慣れたタコ八郎、続いてドシロウトの私とゼンタロウ、それから愛犬のムクだが、こんな4人でもなんとかなるのだろうか?

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です