爽生ハム
損害賠償に指導を受けた少年は紺色のスポーツをやっていた。旧友が時間を幽閉し父母はひたすら訃報を運ぶ業者のような環境で。固有の紺色は凝り固まった血痕だった。リーバイスとも違う しきりに潜る魚のように不眠不休だった。少年の息つぎはユーモアに選ばれた。現に手の甲には延命ほしさにポストイットで連絡先が。蛍光 密告 パステル 。軽薄な伝言が少年を深く沈めた。沈めば沈むほど知らない世界。掌から伝言の吐息だけを食べ 少年は紺色の喉で人を飼っていた。少年の延命は言葉に管理されていた。人の猛毒は少年しか知りえない世界まで届く。息詰まる。やっと歪んだ水流で。その頃には少年はイルカと変わりない声で鳴くようになっていた。