工藤冬里
うっすらとはみ出してゆく
盤の外へ雪崩れて
水平の斜面を氷河のように
ガス抜きを見抜けても
本体に属していない党派性など
ボンベごと爆破された方がよい
不安は和らがない
サメに喰われるので街路は進めない
薬剤では治せない
はみ出た貝の中身のように絶望し
どこから始めてよいのか信号待ちして
探りながら
閉店だらけの街道の
雨に濡れた舗道をゆき
川岸で女たちは見つかる
晴れた日も雨の日も
はみ出たまま
碁盤の街を潰してゆく
#poetry #rock musician