工藤冬里
小さい男だった
小さい男だったが
ぼくはさらに小さかったので
包むこともできなかった
今年も梅は受粉せず
梅干屋は潰れるだろう
こうして時事を取り上げるのは大切なことだ
ラリったときの愛のように
表情は人種を跨いで
タッパー毎に曜日を書いて
ドネツクで爆発に遭う
それでも立っていられるか
麺が口に上っていくように靱帯も内部をスルスルと飛行するが
蝋燭で澱んだ夢と同じで
最後の言葉はない
この忍従が
うれしさと結びつくなんて知らなかった
まだ過ぎ去っていない〈以前のもの〉の中で
#poetry #rock musician