廿楽順治
わたしの足は
けっして洗わないでください
多くの足が
そう言い出してきかない
(うるさい地面の夜が来る)
がむしゃらに菜めしを
喰っているものに
そのかかとをあげてやりましたが
ある日
きみはわたしの足を
知らないと三度まで言うだろう
喰ったにわとりの足は静か
などと うつくしく
詩に書いてしまうだろう
その詩は
足に来た夜でも
だれの地面でもないというのに
わたしの足は
けっして洗わないでください
多くの足が
そう言い出してきかない
(うるさい地面の夜が来る)
がむしゃらに菜めしを
喰っているものに
そのかかとをあげてやりましたが
ある日
きみはわたしの足を
知らないと三度まで言うだろう
喰ったにわとりの足は静か
などと うつくしく
詩に書いてしまうだろう
その詩は
足に来た夜でも
だれの地面でもないというのに