先輩の話

 

爽生ハム

 

 

原美術館って今、なにやってる。
融通きいて待ってる、怖くなって逃げた。矛先はダブってる、これみよがしに茶を欲しがった、北品川の食堂で熱い昆布茶を飲んだ、今日があがる、その頃には結婚は済んでいて、夜は三時間ほど眠るのでじゅうぶんでした、旦那の可愛い寝顔が寝かせてくれませんでした、タクシーの白いレースが着物の女に見えて、姑の香水が鼻を殴った、途中で下車した街は小麦粉の国でして、そうとう嫌いな人を負かす事に成功した夜だから、行けた国でしょう、アドレナリンが溢れて喉がからっからっだったので、風邪をひいて帰ってくる羽目に、お気に入りのピーチネクター冷蔵庫に残ってた、ホッと安心、安心したら逆回りの人生が、結婚前に折り鶴を逃がしてきた事を思いだし、ピーチネクターから桃源郷を譲り受けた気分に、タクシーの中にいた時間は夜でしたか、タクシードライバーに聞いた、あれうちの旦那、旦那の親の持ち家に帰ればストーブの前でスリッパが燃えていた。魚のようにへばりつくスリッパのゴム、帰りが遅れてたらカーペットも燃えたかも、ちょっと後悔した。よりリアルな間がとれるようになった今日この頃。あっぱれ
先輩はやく迎えにきて
北品川の食堂で昆布茶飲んで
待ってる。反ってる。祝ってる。
夜は三時間ほど眠るのでじゅうぶんでした。旦那よりも可愛い寝顔はわたしでした
柔術の先生に海苔を巻いてみて、
海苔の人文字がパリッとあがって美味しそう。
闘わない方が師範だよ、殺しにいく方が旦那だよ、先生、私、もう結婚は済んでいて
時間に融通がきく自称遊び人なのよ。先輩の落とした夜は四時間ほど、後輩に授けた夜で遊んだ人、
だいたい背中の汚ない旦那にあげる。あー、胸くそ悪い、こやつとまたセックスかい
だいたいこんな性行為で産まれてくる。海苔がパリッとあがって美味しそう。
とにかく卵黄、わたしも大好きいっつも卵黄、液体垂らしてあぶれる器に乗っかる月夜が順番にくる
待ってたの先輩、わかってたの
飽きた。行為の連続
考える暇もなく動く、わたし尖ってる。名前ばっかで眠そう、わたし眠そうわたし眠そう、落ちてる落ちてる行為の連続。
まぁ、他人の事も言えないんですけどね。右翼の少年に暗殺されてた、あの頃、卵黄を飲んで過ごしていた。右翼の包丁を研いでた、政治家はどこへ。あん、政治家なんてどうでもいい、わたしは先輩を取り返したいの。
融通のきく旦那の前の包丁、
料理はもうしなくていいのよ、包丁であける未来は特に何もない。
怖くなって逃げた。
怖くなって逃げた。
面白くなって、捕まった時間の事を想像できたら実行して、でもその前に好きな人に好きって言うのよ、はちきれんばかりの人文字でわたしを解放。広く狭い路地を走っていても、わたしの汁や内蔵が飛び散るから、ここは天国みたい。おっとここは北品川だ、実に本質だと思う北品川だ、原美術館の方じゃなくて、商店街の方の所だった。
昆布茶を飲みきるまでに考えれる事はいくらでもあるから、自由に飲み干せよ、本当にそのあと死んでもいいんだから、昆布茶くらいはせめて、残してもいいのだ。

 

 

 

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