光の疵 遠方の赤 投稿日時: 2016年6月6日 投稿者: michio sato 芦田みゆき 大きな鳥が ゆったりと 空を横切る その時 あたしの片側の頬が青黒く染まる 鳥の翼は 鈍い金属のようにみえた 羽搏きが巻き起こした風は いつまでも地表を揺らす あたしはからだを起こして 前を向く 遠方の赤は なにも変わっていない 追わなくては 走っても 走っても けして近づくことのない 赤